ICU生のスウェーデン留学日記

2015年8月からスウェーデンのヨーテボリ大学に交換留学中のICU生。

コミュニケーション

こんにちは。

今日本では雨の日が続いているという噂を聞いたのですがスウェーデンは相変わらず晴れたり大雨だったり不安定な空模様です。

私はというと雨が降る中「city challenge」という、ヨーテボリ市内を歩きながら与えられたミッションをクリアしていく留学生向けのイベントに昼から夕方まで参加したため若干風邪気味で喉が痛いです。

 

さて、今回は「コミュニケーション」というタイトルを付けましたが、今回は私がこちらに来て感じたコミュニケーションの難しさについて少し書こうと思います。

 

そもそも私の英語力がそれほど高くないということも原因の一つなのですが、やはり言語や文化、習慣の違いによってこれほどまでに人とのコミュニケーションが困難なものになるのかとここ数日で感じました。

 

こちらに来てすぐに知り合って仲良くなったスウェーデン人の友達がいるんですが、彼はよくふざけてパンチする振りをしたり悪ふざけをする人で、私もそういう態度は嫌いではないしむしろ面白いなと思ってけっこう好意的に受け止めていたんです。ただ私自身が常にニコニコ笑っているタイプではないし周りから見ると表情が怖く見えてしまうタイプの人間なんですけど、日本にいるときは言葉のニュアンスで相手に怒っていないということを伝えられていたので特に問題はなかったんです。でも今回は相手がスウェーデン人。いくら流暢に日本語を話すといっても細かい日本語のニュアンスまでは感じ取れないので私がすごく不愉快に感じていると誤解してしまったみたいで今朝謝罪メールが来てものすごく驚いたと同時に、いかに自分が言語だけに頼って今までコミュニケーションを図っていたのか、またいかに自分のコミュニケーションの取り方が一方的なものだったかということを実感し反省した出来事でした。

 

また、言語の壁というか、言語に関する問題点について考えさせられる出来事もありました。

冒頭にも書いたように、私は昨日city challengeという留学生向けにイベントに参加したのですが、このイベントは国籍の異なる留学生10人でグループを作ってメンバーで協力して与えられたミッション(例えば、市内のトラムストップ5つを回れ・公共の場でlet it go をメンバー全員で歌えetc)をクリアしてポイントを多く獲得したグループが優勝というゲームをするものでした。

私のグループは私とオランダ人、フィンランド人、スウェーデン人、ドイツ人の他に余ってしまった5人のフランス人のグループだったのですが、やっぱり母国語が話せる人が近くにいるとどうしても母国語で話したくなってしまうもので、メンバーの半数を占めるフランス人たちがフランス語でずっと会話していたため私含め他のメンバーが全く会話についていけない状況に後半はなってしまいました。

日本人留学生も留学先で日本人同士で固まってずっと日本語で話してしまうというようなことをよく耳にしますが日本人だけじゃなくて他の国の人も同じなんだということに驚いたと同時になんとも言えないモヤモヤ感が残ってしまいました。

ここで言いたいのは、○○人はこうで××人はこうとか国籍で区別したり批判したいわけではなく、その場におけるマジョリティー側の言語が持つある種の力や無意識に作り出されてしまう一体感の怖さにもう一度目を向ける必要があるのではないかということです。

今回のことだけではなく、日本に留学に来ている留学生たちに対して自分は無意識に「マジョリティー側の言語である日本語」を使うことを強いてはいないだろうか、日本人同士で日本語で話すことで周りの人との接触を遮断してはいないだろうか、母国語が英語ではない人たちが「世界共通語」として英語を使うことを強いられている状況はフェアなことなのだろうかなど、言語によって作り出されるアンフェアな状況を改めて考え直すきっかけになるような経験でした。

 

 

こんな感じで、留学して全く異なる価値観や習慣を持つ人たちと出会って話してみて、あぁ「コミュニケーションをとる」ってこういうことなんだなぁとしみじみ思いました。今までは一方的に伝えた気になっているだけで相手のことを考えていなかったかもと思いましたね。

日本にいる時は周りも自分もみんな日本語を母国語として使うしいちいち相手が自分の意図を汲み取れていないかも、言葉の意味の受け取り方が自分と違うかもなんてことは気にしないから…。マジョリティーである日本語を使うことが当たり前だと思ってしまってマイノリティーの存在に気づけないから…。

「伝えようとする努力」「理解しようとする努力」があって初めてコミュニケーションって成立するんだと思いました。

 

 

あ、一応言っておくと、留学生活自体はとっても楽しいですよ。city challengeもイベント自体は楽しかったし。日々遊び、日々学んでいます。

ただ今回はあまり明るいトピックではなかったので次回はもっと明るく楽しくいきたいですね。

 

ではまた。